司法書士のお仕事

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佐藤 純通 先生

司法書士法第3条(抜粋)によると司法書士の本来業務は以下のように定められています。

  • 1登記又は供託に関する手続(3審査請求手続)について代理すること。
  • 2法務局・・・に提出し、又は提供する書類又は電磁的記録を作成すること。
  • 4裁判所もしくは検察庁に提出する書類・・・を作成すること。
  • 5前各号の事務について相談に応ずること。
  • 6簡易裁判所における・・・民事訴訟法等の手続について・・・代理すること。

これだけを見ても実際に司法書士が何をしているのか想像しにくいと思います。そこで今回は、各業務の最前線で活躍されている先生に、司法書士業務についてインタビューを行いました。

司法書士の先生の最前線をお届けします。

司法書士の歴史と現在

明治5年8月3日に布告された太政官無号達「司法職務定制」によって近代日本の司法制度がスタートし、その中の「代書人職制」により現在の司法書士制度の原型が誕生し、現在に至るまで140年近い歴史を持つ職業でありますが、呼び名や仕事の内容は社会の状況や市民の要求に合わせて、「司法代書人」→「司法書士」と変化してきましたが、最近では、職務の実態に合わせるために「法務士」もしくは「司法士」への名称改正も検討されております。

 従来、司法書士の業務は不動産登記業務を主要な業務とし、商業登記のほか裁判所への提出書類作成などの業務が中心でした。しかし、ここ約20年ほど前から、司法書士の業務は大きく様変わりし、消費者金融問題、高齢者の財産を守る成年後見業務、さらには企業法務など、業務の幅が大きく広がり、平成14年法改正により、現在では簡易裁判所における訴訟代理業務や裁判外での和解代理権等も付与されて、市民生活における最も身近な法律家としてますます活躍が期待されています。

まだまだ拡がる新分野の業務

弁護士法でも除外されている、他の法律(司法書士法並びにその省令委任事項)に別段の定めがあるところの法律事務の分野として、他人の事業の経営、他人の財産の管理若しくは処分を行う業務又はこれらの業務を行う者を代理し若しくは補助する業務のいわゆる紛争性や事件性のない通常の「財産管理業務等」は、当然に司法書士の附帯業務として行える法律事務です。

規則31条第2号では成年後見業務、第1号では企業法務が明文化され財産管理業務等についても積極的な展開が徐々に始まっております。

この附帯業務については、必ずしも司法書士でなくともできる業務ですが、司法書士が高度の専門性を有している既存の業務との関連が大きな要素となりますので、司法書士の新時代における重要な業務分野を確立する為に、社会的な需要ある附帯業務として、不動産を中心とする「財産管理・処分業務」を、積極的に展開することが望まれます。

多方面で期待される専門職

旧来の不動産登記の申請代理業務を中心とした業務形態から、最近では、不動産取引契約の前から全体について総合的な法務支援が司法書士には期待されてきています。

また、企業の大多数を占める中小企業・零細企業の多くは、法務担当者や顧問弁護士はいないのが現状であり、税理士では担えない法務部門の支援について司法書士は大いに期待されています。

平成14年からは、簡易裁判所の訴訟代理関係業務ができるようになり、任意整理や過払金返還請求の代理により、クレサラ被害者救済を大きく発展させましたが、今後は少額な生活紛争としての一般民事全般の紛争予防と解決への支援が期待されています。

さらに、「成年後見制度」が出来てから10年が経ち、本人の権利保護という観点から、親族後見人の他に、専門職による後見人、後見監督人の社会的な需要が益々高まってきております。

やりがいを持てる仕事

司法書士の仕事は、皆さんの努力次第でいくらでも新しい分野での業務開拓が可能であり、市民のための法律家としてやりがいのある仕事という魅力があります。

自分がこの仕事をやりたいと思ったら、資格がないと取り組むことができない部分が多くありますので、まずは資格をしっかり取得することが先決です。

合格後には、社会から要求される最低水準の既存業務は当然にこなせる様に実務をしっかり修得し、その上で、この案内でご紹介する司法書士の業務以外にも、社会が求める法的支援が必要な新規の業務分野はまだまだ開発できると思います。

司法書士に最も専門性があり需要の高い不動産に関する法律事務を中心とした法的支援や中小企業等の企業法務支援に積極的に関与するとともに、市民に求められる生活上の法律問題について、幅広く法的支援をする法律家を目指していただきたいと思います。

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